カテゴリー: 読書メモ

  • 夏と冬の奏鳴曲ネタバレ感想

    孤島&館物ミステリと聞いて読んでみた。
    孤島に閉じ込められた8日間に、次々に殺人が起きるってやつ。
    謎の7人目がいると疑心を抱く、みたいなありがちなもの。
    最後まで読んでも、謎の解明は無いので煮え切らない。
    夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)

    終盤までは、尚美と和音との二重人格ネタかと思っていたな。
    あと桐璃も二重人格かと思っていた。
    犯人の動機が不可解すぎ。
    キュビズムを援用してるけど、意味不明。
    理論的な説明は理解不能なので読み飛ばした。
    終盤までは退屈だった。
    最後まで読んでも、主人公の半生と20年前の映画とが極めて似ている理由がわからない。
    文章はコピペで、まったく同じだし。
    素直に読むなら、主人公は映画を現実化するために、犯人側に利用された?
    そんなことが可能なの?と思ってしまう。
    これも神父が言う奇跡?
    事実上の密室殺人が、単に未知の自然現象で偶然起きていただけってのは「えええ???」と唖然となった。
    こんなの読めないよ、と。
    つまりトリックは無かった。
    結局は、謎の7人目はいなかったとなるけど、そのあとで殺人とは関係ないけど実は7人目はいたと判明するどんでん返しは何の意味があるのかよくわからない。
    あと、桐璃は普通に考えて双子?
    最後に登場した目が無事なほうが、主人公と桐璃しか知らないことを言い出すのは、裏で2人の桐璃が情報交換すればいいだけなので、どっちが「本物」かはわからない。
    ただ桐璃が主人公を呼ぶとき「うゆー」「うゆう」と分けているのが、その手がかりらしい。
    てっきり「可愛さ」アピールで平仮名書きかと思ってた。
    入島から、黒ドレス桐璃が晩餐に登場し、主人公と会話するまでが「うゆー」。
    その20分後に再び主人公の部屋に来た桐璃「うゆう」。
    主人公と初対面の桐璃を回想「うゆー」
    山に行きたがる桐璃~山から帰ってきた桐璃「うゆー」
    村沢夫妻を立ち聞きする主人公を脅かす桐璃~鈴をプレゼント「うゆう
    8月7日冒頭~武藤の部屋を捜索まで「うゆー」
    昼寝直後「うゆう」
    ウォークマンを聞いていた桐璃「うゆー」
    風邪で寝込んでいたとき、雑誌社のバイトを勧める回想の桐璃「うゆー」
    8月8日朝~武藤の部屋さがし「うゆー」
    足跡のない雪のトリックと二重人格のことを話す桐璃「うゆう
    8月9日~ブレーカーのトリックを話す桐璃「うゆー」
    死んだふりを勧める桐璃「うゆう
    9月10日朝、アイスソーダを飲む桐璃「うゆー」
    映画を見るように勧める桐璃「うゆう
    左目を抉られた桐璃「うゆー」
    テラスに登場した桐璃「うゆう
    島に来る前の桐璃はすべて「うゆー」。
    この「うゆー」桐璃が雑誌社を薦めている。
    主人公が雑誌社に勤めることで、映画の内容と主人公の人生が一致し続けている。
    そして船上での会話も映画と一緒。
    よって、「うゆー」桐璃もグルなはず。
    主人公は「うゆー」桐璃を助けて、一緒に脱出しようとするけど‥。
    主人公が、左目を失った桐璃の左目が無いことに突然否定的にコダワリ出すのは謎すぎる。
    しかしそれでも、左目が無いほうの桐璃を「本物」認定して、連れて脱出しようとするし。
    でも、エピローグでは左目が無い桐璃は瓦礫の下敷きとなったとされ、代わりに目があるほう、一度は否定したほうの桐璃が主人公と一緒にいる。
    この心変わりがよくわからない。
    エピローグで、主人公に孤島行きを命じた雑誌編集長の名前が「和~」だったのは、編集長が真の黒幕ってことなんだろうか。
    雑誌社を斡旋したのは桐璃なので、編集長と関係あるはず。
    ただ、編集長の動機がわからない。
    島の面子は桐璃を見て驚いてたのだから、桐璃の存在をしらない。
    映画の内容を実現すべく、主人公同様に彼らも編集長に利用されたのでは?
    「うゆー」桐璃の左目が抉られることも、編集長の計算のうちだったのだろうか?
    2人の桐璃が帰ってくるのが、当初の予定だったんだろうか?
    「うゆー」桐璃が死んだのは、瓦礫の下敷き=事故と思わせる記述だけど、はっきりしない。
    桐璃が2人いると何かマズイんだろうか?
    それで主人公と「うゆう」桐璃が、「うゆー」桐璃を殺したんだろうか?

  • 殺人の門

    東野圭吾の長編「殺人の門」を読了。
    正直、こんな長編の必要があったのかなと。
    ただ、人を騙して金を取る悪徳業者の描写が巧みで、最後まで読んでしまった。
    いかにもありそうな話で。
    自分のように「悪徳業者の描写が面白くて読んだ」みたいな物語以外の興味が無いと、途中で読むのを諦めたくなると思う。

    殺人の門 (角川文庫)

    主人公は一家離散した元金持ち。
    終盤になるまで、主人公の半生を私小説風に描写してずっと続く。
    主人公は小学校時代から「友人」に利用されつつも、その弁明を聞いているとなぜか言いくるめられて許してしまう。
    主人公は小学校の時分から大人になるまでずっと、自分を騙した友人を殺してやろうと決意しつつも、実行しない。
    主人公の優柔不断さで、こいつバカじゃねえの?と思ってしまう。
    こんなやつとはきっぱり縁切りすりゃいいだろうに、とか。
    まあ、それを言ったら物語にならないけど。
    なぜ優柔不断になってしまうかが、物語の肝ではある。
    最後の最後で、「友人」がなぜ主人公との関係を持ちたがり、主人公を親友のように思っているようで便宜を図りつつも主人公を不幸に陥れるのか、その動機が判明してやっと主人公は友人を殺す。
    しかもそれは、主人公が一家離散したことからすでに始まっていたことも判明する。
    最後まで読んでやっと、「友人」の今までの振る舞いの意味が理解できる。
    ミステリは色んな意味の「謎」があるけど、殺人の門は「友人の動機」を読者が解くべき謎としている小説だった。
    自分は全然わからなかった。
    自分は主人公の私小説のように読んでて、その友人を脇役のように思っていた。
    実際は、友人のほうが主役でその動機が主題だった。
    これを読者に気づかせないようにするために、主人公が半生を語る私小説風に書いたんだと思う。

  • 売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方

    売れるキャッチコピーについて、作り方を網羅的に説明している本。
    自分は今までに、セールスレター系の本なり情報商材なりを買ったことはある。
    それらは考えなきゃいけない要素が多すぎる。
    自分の頭では処理しきれない。
    一方、キャッチコピーに焦点を絞って説明されるとわかりやすい。
    セールスレターだって、「キャッチコピーの積み重ねでできている」と言えなくない。
    この本は事例が豊富だし、「そのコピーがなぜいいのか?」という理由もちゃんと説明してある。
    一口で言うと、エモーショナルな言い回しにするってこと。
    いきなりセールスレターを勉強するより、キャッチコピーのような短文を書く練習から始めたほうが、売れる文章を書けるようになれる気がする。
    巻末の「キャッチコピー辞典」も600事例あって豊富。
    今後はこの本に頼りにアフィリ記事を作っていこうと思う。

  • マイノリティリポート&追憶売ります

    映画化されたマイノリティ・リポートの原作を読んでみた。

    マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

    原作と映画ではだいぶ筋書きが変わっている。
    原作では、予知が2転する。
    予知をするプリコグが3人いるのは同じ。
    第1予知で自分が殺人を起こすと知ったアンダーソンが、予知を知った結果として殺人しない。
    それが第2予知として、アンダーソンが殺人しない未来が予知される。
    第3予知は、第2予知がマイノリティ・リポートとして報告され、失地回復を図る軍人に見つかり、犯罪予防局の正当性を覆す政治運動に利用された結果として、アンダーソンが殺人を起こすという予知。
    第1予知も第3予知も、アンダーソンが結果的に殺人を起こすという予知でマジョリティ・リポートとして採用されてしまう。
    しかしその経緯が全然違う。
    この食い違いを突き止める話になってる。
    映画は、長官が過去の殺人を隠す為に、トムクルーズ扮するアンダーソンを罠にハメるという展開だった。
    まあ、道具立てを借りたってことなんだろうね。(^_^;)
    原作のほうが知的で面白かった。


    それと、追憶売りますも読了。
    こっちはトータルリコールの原作。
    映画は、火星の大気に酸素を発生させるという壮大な結末。
    原作は、主人公のダグがエイリアンの地球侵略を防いだ人物で、彼が死ぬとエイリアンが地球侵略を再開するとリーコル社の技術者たちが気づいてしまうという結末で、ちょっとしょぼい。
    火星に憧れるダグが、リーコル社に偽の「火星旅行」の記憶を植えつけるように注文するってのは同じ。
    その記憶移植作業で、消去されてたはずの本来の記憶が蘇るのも一緒。
    ただ、ダグが自分の記憶を封じる代わりに火星への憧れが無くなるように別の記憶を注文するって展開になる。
    その記憶がエイリアンの侵略から地球を救ったという記憶で、自分が死ぬと地球侵略が始まるという誇大妄想的な願望を満たすことで火星への憧れを消せると。
    ところが、記憶移植中に再び本来の記憶が蘇ってしまい、実は本当にエイリアンの地球侵略を防いでいたとわかるっていうw
    自分は、コメディっぽい話だと思ったw
    映画と全然違う。

  • ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない

    ちまたの自己啓発書籍やライフハック系書籍が、自己啓発の「始祖」の焼き増しに過ぎないと説明してる。

    それら「原典」はアメリカの「ニューソート」という思想に基づいた本で、
    ナポレオン・ヒル
    カーネギー
    ジョセフ・マーフィー
    などが該当する。
    ライフハック(コンピュータギークの仕事術)も、背景の思想はヒッピーブームに由来し、それは「既存の価値観の否定」にあり、その意味ではニューソートと同じと言っていい。
    自己啓発もライフハックも、かつて揶揄されていた「マニュアル本」と本質は同じ。
    ここまでが前半。
    後半はビジネス本を出したがる出版側の話。
    ・ビジネス書作家は売ることにも熱心で、名刺がわりに自著を配るため、ある程度は著者が買い取ってくれるので、出版側にも都合が良い。
    ・横の繋がりが強く、お互いに絶賛しあっている。
    ・「アマゾンキャンペーン」で売上の既成事実を作り、宣伝に利用する。
    横のつながりで絶賛しあうって、まるで情報商材みたい‥。
    一方の読者は、
    ・ビジネス書はさほど読まれておらず、ビジネス書中毒者が何冊も買っているだけ。
    ・本来のターゲットである賢明なビジネスパーソンからは「煽り」や仕掛けの脆弱さから距離を置かれている。
    ビジネスパーソンで1冊でもビジネス書を読んだことがあるのは、48%しかいないんだそうで。
    自分も一時期は類書を買いまくっていたな‥。
    本で挙げている「7つの習慣」は持ってる。
    分厚い本で内容を覚えるのが大変。
    結局、ろくに実践していない。
    そこで「原典」ベースで、実践しやすいように平易に落とし込んだものを無意識的に求めていたような気がする。
    まあ、ビジネス書にハマってる人向けの解毒剤的な本かと。
    最初っから冷ややかに見ていた人は、「当たり前」という話なんだろうね。
    ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)

  • 小池一夫のキャラクター新論

    小池一夫がまどかマギカを褒めてるのを知って、新刊を読んでみた。
    従来のキャラクター論にインターネットメディアの項目を追加したらしい。
    なので、2章までが旧論と同一内容みたい。
    旧論を読んだことはないけど、全体としてはキャラクター論を知ってる人には物足りないみたい。
    新論にあたるインターネットメディア関連は第3章。
    要は、口コミでキャラを広める必要があるんで、無料で使わせることが重要。
    そして、キャラの見た目が大事。
    初音ミクは、膝下まであるツインテールのインパクトで広まったのだろうね。
    それから、キャラは類型に合わせる。
    文化的類型に合わせないと、見た目からキャラの性格を想像しにくい。
    4章はキャラクターシンキングの説明で、キャラクターの心理心情をFBIのプロファイリングのように想像してキャラを動かすと。
    5章はパラドクスがキャラを立てるという話。
    このへんも旧論と同じ内容らしい。
    結局、初音ミクが表紙なんでインターネットメディアを重点的に語ったような印象を受けるけど、1章しか割り当てていない。

  • 日本人が知らないアメリカの本音

    アメリカがどういう国か、連中の支配層がいま何を考えているかを解説(推測)している本。

    著者が言うアメリカの特徴をいくつか抜き出すと、 (さらに…)

  • セドナメソッド

    「幸せを引き寄せる」と言ってるけど、感情を「解放」し、心をニュートラルにする方法って感じ。
    心をニュートラルに保つ結果として、感情に影響を受けていた認知の歪みがなくなり、人生が好転するんだろうね。
    読んだだけで実践はしてないけど、実行は簡単そう。
    1)自分の感情を認めて、
    2)手放すだけ。
    自分の感情を否認して抑圧するのではなく、認めて「手放す」という表現が面白い。
    この手放すというのはちょっとよくわからないけど、単に「手放しますか?」と自問し、「はい」と自答するだけみたい。
    手放せたと感じられないなら、同じ自問自答を何度でも繰り返すらしい。
    そのように何度繰り返しても構わないとも言ってる。
    たぶん重度のトラウマとかには効果ない気がする。
    手放す感情は、「恨み」「怒り」「恐怖」などのネガティブな感情も、「誇り」「受容」「許し」などのポジティブな感情もどちらも含むのが特徴。
    ネガティブな感情だけではなく、ポジティブな感情も手放すことを勧めているのが意外だった。
    ニュートラルな心構えを持つには、ポジティブな感情も障害となるみたい。
    実行は簡単なんで、自分もしばらくやってみることにした。

  • 無税入門

    よくある「節税」ではなく「無税」を勧める本。
    著者は37年間に900万円を浮かせたらしい。
    基本はサラリーマン向け。
    そして、サラリーマンが個人事業主になって副業をする。
    なので、会社バレのリスクがある。
    翌年、確定申告をする。
    そして「還付金」をもらう。
    副業の赤字で給与から引かれた源泉徴収を「損益相殺」する。
    この損益相殺の為には、副業が「事業収入」でなければならない。
    雑所得での赤字は損益相殺にならない。
    だから個人事業主として開業する届けを税務署に提出しておく。
    これは青色申告で大きな控除を受けるメリットもある。
    事業収入と雑収入との線引きは「少しでも売上があるか」。
    なので、毎年売上があるようにする。
    しかし必要経費を支払うと赤字となるようにする。
    本人は「イラストレーター」で副業してるらしい。
    それと、著者の甥は日用品の無店舗ディーラーだそうで。
    ただし、やりすぎると税務署も黙ってはいないだろうと言ってる。
    でも、どうせ「サラリーマン+副業」なので、無税にするだけなら赤字額は大したことない。
    なのでこの本は、あくまでもサラリーマン向け。

    「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう

  • 残念な人の仕事の中身

    原題は「What’s stopping Me from getting ahead?」で、「何が自分の昇進を妨げているのか?」という意味。
    邦題とはニュアンスが全然違う。
    特に「残念な人」ってのは「無能」「低能」の意味が強いかと‥。

    この本は「能力があるのに周囲から(特に上司から)信用されない人」の特徴を12個列挙している。
    なので「残念な人」というイメージとは遠い。
    効率的に仕事ができない人向けの「仕事の効率化」みたいな話かと思ったら、全然違った。
    23のケースについて、その対策をかいつまんで説明してあるけど、
    要は、能力的な問題で昇進を逃すのではなく、周囲から信用されない言動や振る舞いをとっているから昇進できないってこと。
    (一部は「女性への偏見」で昇進できないという本人のせいじゃないケースもあるけど、これは女性への偏見から身を守る為に支持者を作ったりしろとアドバイスしてる)
    なので「仕事の中身」は関係ない。
    仕事の「外側」の、日常的な振る舞いの方に問題があると主張してる。
    つまりは、周囲から(特に上司から)信頼されないと出世できないという、当たり前の話。
    取り上げられているのは、そういう客観的な自己認識が欠けている人。
    そういう人がこの本で上辺を取り繕っても、すぐに行き詰まりそうな気がする。
    応用が効かないはずだから。