カテゴリー: 読書メモ

  • イエスという男 第二版 増補改訂

    今後は単に読みたい本の備忘録も記事にしようと思う。
    「イエスという男 第二版 増補改訂」はキリストの同時代の時代考証を踏まえて聖書の記述を解釈したものらしい。
    買ってみたいと思ったけど、3000円という個人的には気軽に買えない値段だったもので。
    しかもKindleも無いし。

  • 「イスラム国」の正体 なぜ、空爆が効かないのか

    今話題の「イスラム国」について、何か書籍が無いかと探してみた。
    この本には「池内恵」というイスラム教(中東)について詳しい東大准教授の解説が載ってる。
    この人のブログは前から読んでいたのだけど。
    中東・イスラーム学の風姿花伝
    「イスラーム国」の衝撃という新書が発売されたそうで、読もうと思ったらKindle版の発売が28日。
    本なんて読めればいいのでKindle版が欲しい。
    そこでKindle版発売の前に、代わりにこれを読んどこうと。
    「セレクション」(記事の寄せ集め)なので200円だしね。

    「イスラム国」の正体 なぜ、空爆が効かないのか Wedgeセレクション No.37
    で、池内恵氏の文章だけ読んだ。
    イスラム国とは集権されてない分散型の組織だそうで、要はアルカーイダと同じ。
    ネットでクラッキングをやってるアノニマスとかも同じ。
    つまり理念に共感する者なら誰もが自由に「アノニマス」を名乗っていいのと同じく、
    イスラム国の理念に共感する者なら誰もが自由に「イスラム国」を名乗ってOKなわけ。
    地元で育った孤独な若者をジハードに共感させて、
    世界中の地域で小規模なテロ(一匹狼型のテロ)を散発的に起こさせてる。
    これはこの前、フランスで起きたトルコ人兄弟のテロがまさに当てはまるかと。
    このようなテロを繰り返すと、そのうち当地の権力が弱体化して「空白地帯」ができる。
    そこに世界中から「イスラム戦士」が集まって国を作るという目的で、
    これは既に2004年から計画されていたそうな。
    計画したのはザルカーウィという人物で、2006年にはアメリカに殺されてる。
    でもこのイスラム国は、アルカーイダから「イスラムの団結を乱す」と批判されてたんだとか。
    またザルカーウィ死後の後継組織も、アメリカの増派(増兵?)で弱体化していた。
    しかし「アラブの春」をきっかけに勢力を取り戻したんだと。
    それで今日のイスラム国の台頭になってるわけ。
    イスラム国に空爆を繰り返しているらしいけど、
    イスラム国は分散型組織なので、特定の指導者や権力者がいない。
    だから空爆は無意味だと。
    素人考えでは、民間人の居住地域に潜伏しているらしいから、
    居住地域丸ごと空爆するわけにはいかず、
    だから空爆は無意味なのかなと想像していた。
    郊外や国境に来れば空爆で追い払えるのだろうけど、対処療法的で根治しないだろうし。
    本気でイスラム国を崩壊させるには、地上戦しかないんじゃないかな。
    でも地上戦は両者に人死のリスクがあるからねえ。
    圧倒的な地上兵器とかは無いだろうし。
    イスラム国側も最新兵器を入手しているらしいし。
    そんなリスクはどこの国も背負いたくないよね。


    ついでに高岡豊という中東調査会上席研究員の記事も読んでみた。
    イスラム国の増大化は、シリアのアサド政権妥当の為に
    「反政府組織」に資金や武器を提供したことが原因らしい。
    これはアメリカを含めて、周辺国がやっていたそうな。
    初期にはNGOや政治家も率先して行っていたほど。
    この反政府組織がイスラム国と合体したみたい。
    それと、今でも個人レベルの資金提供はあるらしい。
    で、アラブの春で釈放された政治犯の中に過激派がいたようで、
    その連中がイスラム国に合流したとのこと。
    国連安保理では、イスラム国などに参加しようとする人員の移動を阻止する
    立法を義務付ける安保理決議が、9月25日に採択されてるんだそうで。
    知らなかった。
    でも日本でこんな法律あったっけ?
    既存の法律で対応できるから、いちいち立法はしないのかねえ。
    例の中田考なる元大学教授に唆された大学生を、渡航前に逮捕したってのは、
    この決議が背景にあったのかな。


    最後にマイケル・シンというワシントン中東政策研究所の人の記事も読んだ。
    この人が言うには、イスラム国はアメリカがイラクから撤退したことが
    イラクの政情不安を招き、イスラム国の台頭を許したと。
    アメリカがイラクに作ったのはシーア派の政権で、
    シーア派はスンナ派を弾圧していて、
    国内外でのスンナ派の支持がイスラム国に集まったらしい。
    確かスンナ派って、イスラム教徒の多数派なんだよね。
    イラクに新政府を樹立すべきと言ってるけど、
    その為にはイスラム国をイラクから排除する必要があるだろうし、
    排除には地上戦が必要だろうけど、そこまではやりたくないだろうし、
    新政府を樹立してもその政府がまた同じような宗派弾圧をやるなら
    同じことの繰り返しになるだけ。
    ヨーロッパでは中東への介入は無駄と諦めムードらしいけど、
    自分も無意味なんじゃないかなと思う。
    オバマは5億ドルの予算を議会に要請したそうだけど、
    金だけ出しても解決しないだろうね。
    中東の武装組織にイスラム国と戦わせるのかね?
    でもその武装組織が今後どうなるのかわからないし。
    イスラム国自体がアサド政権打倒の為にそうやって資金提供を受けていたわけで。

  • データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

    効率的なToDoリストを作るヒントが欲しいので注文した。
    今まで数年、ToDoリストを作って実行してきたけど、消化率がかなり低かった。
    どう計画を立てれば実行できるのかわからないまま悩んでる。
    それを打開する何かが欲しいわけ。

    データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

  • 買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則の感想

    必要があって文章力関係の本を読み漁ってるのだけど、
    タイトルがキャッチーなので購入。
    この本自体が「101の法則」とか、ウェブサイトでバズりやすい特徴の一つ「数字」を入れてるし、
    「誰でも」というのも入れると記事がバズりやすいキーワード。
    タイトル自体が魅力的なので買ったw
    つまりこの本のタイトル自体が「買わせる文章」になってる。

    買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則 (アスカビジネス)
    感想は後日。


    注文品が到着したので読了。
    文章と言うよりも、もっと短いキャッチコピーの考え方のカタログ的な本。
    目次がそのまま目的別の逆引き索引として使える。
    前からこういう辞書的な使い方ができるライティング関係の本が欲しかったのですよ。d(⌒ー⌒)
    理念をこねくるタイプではなく、実践的な説明になってる。
    ボールペンを売ることを想定して、どうやってキーワードやフレーズを思いつけばいいのかを説明してる。
    このへんは類似本で言ってるのと同じ。
    1項目1ページくらいなので、細かい説明はなし。
    たいていの項目はダメな例と良い例との比較があって、それに注釈を付けている。
    あとウェブサイトの訪問者はザッピング的な読み方をしているらしい。
    だから、見た目にも工夫(文章の整形)が必要と説いている。
    全部覚えるのは無理がありすぎるし、
    手元に置いて目次から必要な解説を読み、
    書きたい文章に当てはめるという使い方がベスト。

  • ぼくたちの洗脳社会

    ぼくたちの洗脳社会は、オタキングこと岡田斗司夫が20年前に今日の状況を「予言」した書とされている。
    この本は全文が無料公開されている。
    ぼくたちの洗脳社会
    一応、文庫本もあるけど読むだけなら無料公開版で十分。

    ぼくたちの洗脳社会 (朝日文庫)
    アルビン・トフラーの有名な本「第三の波(The Third Wave)」を下敷きに、
    トフラーの着眼を受け継ぎつつもトフラーの未来予測は否定し(安直なので)、
    トフラーの着眼を活かしてそのまま未来に敷衍するとどういう社会になるかを予測してる。
    その予測の下敷きにしてるのが堺屋太一の「知価革命――工業社会が終わる 知価社会が始まる」。
    この本もトフラーを引きつつも、これからの商売に大切なのは知的価値だと主張している。
    重要なのは、価値観の変化が起きることで、
    それは「豊かなものをたくさん使うことはかっこ良く、不足しているものを大切にすることは美しい」という法則が背後にある。
    この法則を踏まえると、豊かなものと不足しているものを見極めれば、
    次の時代がどうなるかを予測可能となる(と岡田斗司夫は主張している)。

    しかし堺屋太一の未来予測もまた安直なもので、
    岡田斗司夫を納得させるには至らなかったらしい。

    ここで中世ヨーロッパや中国を引き合いに出して、
    中世は時間があまりあり、物が不足していた時代だとして、
    物欲に縛られずに世捨て人のように貧者や宗教家として暮らす人が尊敬されていたと言ってる。
    また古代人が確立した等価交換の原則も、中世で崩れたと言ってる。
    これが正しいかは知らないので判断しようがない。

    でも堺屋太一の言う法則が正しいなら、不足している物を大切にする人が尊敬されるんじゃないの?
    物欲に縛られない人が尊敬されるってのは、堺屋太一の言う法則とは別の価値基準で尊敬されてたんじゃないの?
    そして次の社会変化は中世と同様の「物不足、時間あまり」という時代になると言ってるけど、物余りじゃないの?

    次の時代がなぜ物不足になるのかはよくわからないし、何の説明もない。
    ただし、中世との違いは「情報あまり」にもなるってこと。

    この情報あまりの時代では、情報自体よりも情報の解釈がより流通すると言っている。
    これを洗脳と言ってる。
    そして情報革命で、自由洗脳社会になるとも言ってる。

    でも、洗脳ってのはその価値観以外の価値観との接触を禁止するのが基本なわけで、
    情報革命で容易に様々な価値観に触れることができるのだから、洗脳は難しくなると思うのだけど……。

    第二次世界大戦後のアメリカが、メディアを使って「正義の国」という洗脳をしたと言ってるのはその通りだとは思う。
    でも実際にはメディアの影響力がどんどん無くなりつつあるわけで……。
    洗脳が不可能とか、かなり困難になる時代になると思うんだよね。

    あと自由経済社会は大半の人は消費者だったことから類推して、
    自由洗脳社会は大半の人は非洗脳者になると言ってるけど、
    自由経済社会ってのは生産手段に手軽にアクセス出来る社会ではなかったのに対して、
    自由洗脳社会は誰もが手軽に情報発信可能なのだから、
    この2つを類似のものと捉えるのは間違っている。

    自由洗脳社会によって、価値観が異なる状況をころころ切り替える生き方が主流になり、
    一貫した価値観で生きるのは不可能ってのはわからなくないけど、
    この一貫性を「近代自我」と呼んでいるのは違うと思う。

    洗脳社会と言いつつ、そのモデルにしているのはパソコン通信で
    同じ価値観の人が掲示板を読み書きする状況にすぎないらしい。
    そして、異なる話題については異なる「板」を読み書きすることで価値観を使い分ける状況を、そのまま社会全体に当てはめてる。

    結局、これもしょぼい未来像だと思うのだけど。

    トフラーについては高度消費社会をそのまま未来に当てはめていると批判的なのに、
    パソコン通信の状況をそのまま未来に当てはめるのはOKという理由がわからない。
    洗脳という語を広い意味に使っているようだし、
    もっとおどろおどろしいものを想像していたのとは違った。

  • インターネットのシロサギ達

    インターネットの色んな詐欺について薄く広く解説した本だった。

    インターネットのシロサギ達~ネットの嘘と危険から貴方の身を守る方法~
    取り上げているのは、
    ・情報商材
    ・オークション詐欺
    ・FX詐欺
    ・ワンクリ詐欺
    ・フィッシング詐欺
    ・アプリ詐欺
    ・ファーミング詐欺
    ・占い詐欺
    など。
    作者も認めているけど、知ってる人には当たり前の基本知識が語られてる。
    私もほとんど知っていたけど、占いと出会い系を組み合わせた詐欺は知らなかった。
    情報商材詐欺とFX詐欺は似てる。
    どちらも管理画面を偽装して稼いでいると勘違いさせる。
    そういうのは簡単に画像を書き換えられるそうで。
    オークション詐欺は、ペニオクのことは知っていたけど、偽ブランド品詐欺、郵送事故詐欺、代引詐欺、取り込み詐欺、返品詐欺、すり替え詐欺、なりすまし詐欺などは知らなかった。
    あとアプリ詐欺は、勝手に個人情報を盗み取るアプリの事。
    でも今流行のLINEなんか、規約で個人情報を取るって同意させてるんだよねえ……。
    私は大っ嫌いなので使ってないけど。

  • アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉

    最近話題なので、アドラー心理学の本を読んでみた。

    アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉
    この本はアドラー心理学の理論を解説してない。
    100の言葉を抜粋しただけ。
    というかアドラーは理論化せずに亡くなったらしい。
    正直言って、中身は無内容なポジティブシンキングとしか思えない。
    「人生は変えられる」「人生はシンプル」「人生は自分の考え方で決まる」「遺伝もトラウマもあなたを支配していない」など。
    無意識を否定してるのかなと思ったら「意識も無意識も一見矛盾しても同じ目的に向かっている」と言ってる。
    そう言えるケースはあるだろうけど、一般論としてもそう言えるのかねえ。
    まあ私は専門家じゃないし、わからないけどさ。
    一方、矛盾に思えることも言ってる。
    例えば「人はライフスタイルを10歳位で完成させ、一生使い続ける」と。
    アドラーは性格をライフスタイルと言い換えてるけど、この言葉が正しいなら人生を変えようがないと思うのだけど……。
    でも「ライフスタイルは変えられる」とも言ってる。しかしこれは「人生の半分の時間を使ってライフスタイルの書き換えを終える」と言ってるので、容易ではない。
    その一方で、ライフスタイルは死ぬ2~3日目でも変えられると言っちゃってる。
    「親からがみがみ言われたから暗い子になるのではない。暗い子になることを選んだのだ」と言ってる一方で、「子どもにとって家族は世界そのもの。親から愛されなければ生きていけない。その為の命がけの戦略が性格形成になる」とも言ってる。
    だったら暗い子になるのが、親から愛される命がけの戦略だったんでしょ?
    それを「暗い子になることを選んだ」とは言えないと思うのだよね。
    「罰を与えるのではなく、結末を体験させるのだ。子どもが食事の時間になって戻ってこなければ、食事を出さなければよい」と言ってるけど、これは「罰」を「結末を体験させる」と言い換えているだけとしか思えない。
    食事の時間に戻ってこないという原因と、食事を出さないという結末に因果関係があるから罰になるわけで、因果関係がないなら、それは罰でなく虐待でしかない。
    あと「幸福な人生を歩む人のライフスタイルはコモンセンスと一致している。歪んだ私的論理に基づく性格では幸せになれない」と言ってる。
    このコモンセンスとは、「個人にとっても組織や家族にとっても共に受け入れられるような意味付け」と言ってる。
    私的論理とは、「個人にとってしか受け入れられない、共同体では受け入れがたい意味付け」と言ってる。
    でも「子どもが学校でいじめられていたら、無理をして行くべきでないのがコモンセンス」とも言ってる。
    この場合、学校に通うこと=共同体で受け入れられる意味付け、いじめで学校に行かない=個人にとってしか受け入れられない意味付け、だと思う。
    つまり私的論理に該当すると思うのだけどねえ……。
    一部の理屈は納得。
    「不健全な人は自分を被害者と思わせて何もしない」
    「不健全な人は相手を変えようとする」
    「人は正の注目が得られないと負の注目を得ようとする。それでも注目されないと、自分の無能さを見せつけようとする」
    「世話好きな人は相手に依存して欲しい」
    「問題行動に注目すると、その問題を繰り返す。叱ることは悪い習慣を身につけさせるトレーニングになる」など。
    結局「理論」ではないので、断片的な言葉それぞれの是非を判断するしかない。
    他にもアドラー心理学の入門書としてふさわしいものがあるようなので、あえてこの本を買う意義は感じない。

  • 本多静六 私の財産告白

    本多静六という明治の大学教授が書いた蓄財ノウハウというか、心構えを説いた本。
    Kindleで安かったので買った。

    私の財産告白
    要は「バビロンの大富豪」と同じだけど、収入の1/4を貯蓄せよと言ってる。
    バビロンは1/10を貯蓄せよと言っていたけど、本多静六はより厳しい。
    そして貯蓄した分を株や山林に投資して蓄財したらしい。
    株は現代にも通じるけど、山林はさすがにどうかな。
    明治時代は幹線道路が発達途上で、直に道路沿いの山林に価値が付くと未来予測して、それが当たったらしい。
    株の方は「2割益利食い10割益半分手放し」という手法を薦めている。
    基本的には損切りしなかったらしい。
    これは明治時代の国家が全体的に繁栄しつつある時代だったから、うまくいったんじゃないかなあ……。
    蓄財の話は前半で終わり、後半は人の上に立つ者の処世術に終始してる。
    小言をいいたくなるのを我慢せよとか、部下の意見を聞いてから自分の意見と同じだったとしてもその意見を採用した体で仕事を進めよ、とか言ってる。

  • 怒ってるとしか思えないけど怒ってない猫の写真集

    寛いでいるのに、顔だけはずっと怒った表情のまま。
    飼い主いわく、怒ってはいないそうです。


    小雪の怒ってなどいない! !

  • 九マイルは遠すぎる

    アームチェア・ディテクティブの典型で、短篇集。
    ニッキィという推理が得意な文学教授が、わずかな手がかりから推論を重ねて事件を解決してしまう。
    タイトルの「九マイルは遠すぎる」は実際には「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない。ましてや雨の中となるとなおさらだ」という文章のこと。
    ニッキィはたったこれだけの文章から、
    ・話し手はうんざりしている(容易じゃないと言ってるから)
    ・雨を予想していなかった(ましてや雨の中となるとと言ってるから)
    ・話し手はスポーツマンや野外活動家ではない(9マイルを歩くのに音を上げているから)
    ・話し手が歩いたのは夜中か早朝(日中ならバスや電車があるから歩く必要はない)
    ・話し手は郊外から町に向かって歩いてきた(町から出るなら自分の車や交通機関を利用するはず)
    ・九マイルとは正確な数字(大雑把な距離を言うなら10とか切りの良い数字にするはず)
    ・はっきりとした目的地に向かっていた(9マイルという目的地までの正確な距離を把握しているから)
    ・一定時間内に到着しなければならなかった(雨宿りせずに歩き続けているから)
    などを推論する。
    この推論がとある事件を解決する重要な推理へとつながってしまう。
    ほかにも、雑誌の切り抜きで作った脅迫状、被害者の頭に残っていた凶器の跡、チェス盤の駒の配置など様々なことを推理し、事件を解決してしまう。
    わずかな手がかりから推論を重ねて事件を解決するまでの流れがとても鮮やか。
    元になった事件にも不自然な感じはない。
    全部で8話あるけど、最初のエピソードから合計20年かかって書いたらしい。
    つまり相当にプロットやディテールを練って作ったわけで、鮮やかで自然な読後感になるのも当然だと納得。
    いわゆる「本格推理」で、つまり「推理が主で登場人物やエピソードは従」というウェイトになっている。
    1話あたりは30ページくらいで、簡単に読める。
    推理を楽しみたいなら、うってつけ。
    思考力訓練のテキストにもなると思う。

    九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)