カテゴリー: 読書メモ

  • ゾーン相場心理学入門

    トレードで稼ぐには、適切な心構えが必要。
    ってことで、名著とされる「ゾーン」を読んでみた。

    ゾーン ? 相場心理学入門
    トレードの本質とは「自由な自己表現」。
    いつ買うか売るか、つまり「いつトレードに区切りをつけるか」はトレーダーの自由であり、外的な規範は無い。
    (追証など資金の枯渇は除く)
    人はこのような「自由な自己表現」に慣れていない。
    だからトレードに勝てない‥らしい。
    この「自由な自己表現」を行使するには、トレードの責任を全て自分で負うようにしないといけない。
    トレーダーの心理はマーケット判断に影響を及ぼし、結果として損失をもたらす。
    例えば、エントリータイミングの間違いや、損切り利食いの遅れ、など。
    よって、トレードで稼ぐには、自分の心をコントロールしなくてはならない。
    最良の心構えを身につけたトレーダーは「ゾーン」と呼ばれる意識状態となる。
    トレードで成功したいなら、この「ゾーン」を身につけないといけない。
    でもこの本は「ゾーン」の身につけ方を解説した「How to本」ではない。
    ゾーンの重要性を説いているだけ。
    ちなみに、オーディオブック版もある。
    これを買うと、2倍速化したmp3のダウンロードリンクがわかる。
    ある人は、これを使ってゾーンの内容を100回聞けと言ってる。

    ゾーン ──勝つ相場心理学入門 [MP3版] ()

  • ゲーテの警告

    ゲーテの著作から民主主義と大衆への批判を引用しつつ、先の選挙で民主党に投票しちゃった「B層」を批判っていう本。
    このB層は主婦&若者が中心で、年寄りや子どもを含み、小泉郵政改革に熱狂したのと同じ層らしい。
    B層はIQが低く、自分の頭で考えず、根拠もなく権威・マスコミ(A層)を信じる。
    文化人・知識人・タレント(A層)の発言を鵜呑みにして自分の意見とする。
    「子ども手当」の嘘を見抜けないで騙される。
    騙されてもそれを恥とも思わないで、被害者意識を持つだけ。
    B層の行動として挙げているのは、
    ・サンデルの「ハーバード白熱教室」はB層が買った。(ブランド商法に釣られる)
    ・ハリウッド映画が好き。
    ・X JAPAN、EXILE、サザンが好き。
    ・B級グルメが好き。
    ・大相撲八百長問題に怒る。
    このB層が現代の日本で大きな勢力となっている。
    じゃあどうすればいいの?っていう処方箋が、
    ・B層と距離を置くこと
    ・一流と三流を見ぬくこと
    ・古典を読んで「大人」になること
    だって。
    A層(B層向けに世論を操っている高IQ層)はB層に何かを売ることで金儲けしてるんで離れるわけない。
    C層(高IQ。構造改革に否定的。グローバリズムに警戒)、D層(負け組底辺層)は元々距離を置いている。(元からB層の一員になれない)
    当のB層は、B層批判本なんて読まんでしょ。
    この本の助言が有効なのは、B層出身ながらも、B層を「なんとなくおかしい」と感じている人くらいかと。
    でもそんな人は、B層内部の少数派だろうし‥。
    と言うか、距離を置いても、B層が大きな勢力となっている現実は変わらんのでは?
    今後もこのB層が社会を引っ掻き回し続けるんだろうな。

  • 究極の鍛錬

    1流のプロがどういうレベルの練習を行って来たかを解説してる本。
    何かで成功するには才能は必要なく、必要なのは「究極の鍛錬」と主張している。

    「究極の鍛錬」とは、
    1)能力の限界に挑戦するように設計されている
    コンフォートゾーン(既にできること)
    ラーニングゾーン(新しく身につきそうな技術のこと)
    パニックゾーン(どうすればいいかわからず、パニックになること)
    このうち「ラーニングゾーン」にフォーカスしている。
    2)適度にきつい課題を何度もバカバカしくなるほどに飽きずに繰り返す
    3)先生やメンターなどのフィードバックがある
    訓練の成果がわからないと、注意深く練習しなくなる。
    4)訓練対象を絞り、集中する
    不得手なことを集中しないと新しい技能が身につかない。
    漫然と練習してもダメ。
    5)おもしろくない
    不得手なことをしつこく繰り返すので、当然おもしろくない。
    辛いことは多くの人がやりたがらないので、精進すればあなたは際立った存在となる。
    ‥というものだそうで。
    才能ってのはやっぱりあると思うけどな‥。
    ただ、従来から思われているほど重要な要素では無いのかもね。
    特に1)のラーニングゾーンにフォーカスってのが重要っぽい。

  • マーケットの魔術師

    3ヶ月くらいかけてやっと読み終えた。

    マーケットの魔術師 - 米トップトレーダーが語る成功の秘訣
    ロジャースのインタビューが一番興味深かったな。
    投資は「3次元パズル」だと称して、あらゆるものを売買すべきだと言ってる。
    そうしないと、何が起きているかわからないんだと。
    あとトレンドフォローは全否定。
    これは「上がるから買う」という安易な発想で売買することを否定してるだけ。
    基本、ファンダメンタリストであって「自分はトレーダーではない」と。
    チャートは見るけど、それは「ヒステリーを探す」ために見るだけだって。
    トレーダー達に共通してるのは、
    ・大きく賭けるな
    ・ストップロスを必ず入れる
    ・トレンドフォロー
    ・自分の予想が外れ、負けたら市場から一旦離れる
    最後の「投資心理学者」の話も興味深い。
    勝てるトレーダーとしての心構えを持たないと、稼げないんだそうな。
    基本的に、どのトレーダーも大負けを経験している。
    それでも借金したり、親や恋人や友人から金を借りて成功できたってさ。
    市場から消えた人も同様に借金してただろうけど、成功した人との違いは「心構え」なんだろうね。
    この本、あるトレーダーいわく「こういう本を100回読むようなやつが稼げる」んだって。

  • 空気の研究

    山本七平の超有名本。
    日本人は戦前から「空気」に支配されていた。
    開戦も戦艦大和の建造・出撃も空気が原因。
    日本人は、
    合理的な根拠 < 空気
    という価値観を無意識に持っている。
    空気とは、臨在感。
    臨在感とは、無いものをあると思い込むこと。
    例えば人骨に霊的なものを感じて気分が悪くなるみたいなこと。
    臨在感とはアニミズム的な認識方法。
    日本人は空気に絶対的な何かを感じて、言いなりになる。
    空気には「水を差す」ことが大事。
    水を差すとは、通常性・日常性・現実性を指摘すること。

    空気って裸の王様に似てる。
    ありもしないものを信じる=バカには見えない服を信じる
    それに水を差したのは「王様は裸だ」と言ってしまった子ども。
    空気って無責任でいられるから信じるのかと思ったけど、逆らしい。
    つまり、責任感が強いから空気に逆らえない。
    なので、その人が持っている「通常性」を指摘して水を差すしかない。

  • 言葉の常備薬

    これも呉智英で、言葉の煎じ薬と同主旨。
    言葉の誤用を軸に、
    ・亜インテリ批判
    ・語源俗解批判
    が主。
    あとは慣用句の由来。
    ・「お前の母ちゃんデベソ」の意味
    ・男女の仲の良い様子を見て「ごちそうさま」と言う意味
    ほか、八木重吉の詩「牝の美しさ」の誤植の話は笑った。

  • ツキの大原則

    成功者はいつも成功をイメージしてる → だから成功する → ツイてる
    要は「思考は現実化する」をツキとか運に当てはめたって感じ。
    ツイてる人とツイてない人の違いを比較。
    ただ、曖昧な成功イメージはむしろ有害ってのは知らなかった。
    実現できない成功イメージは、実現できなかったという失敗記憶となるらしい。

    あと「感謝」の効能を説いてる。
    ドツボにはまってる人は、こういうことでもやらないとダメなんだろうね。

  • 言葉の煎じ薬

    封建主義者・呉智英の新刊。
    基本、言葉の誤用を指摘してるだけ。
    ただし本旨としては、
    無知な庶民を攻撃したつもりの「亜インテリ」が、自分をエラソーに見せる為に誤用してるのを指摘、
    ってのが狙いみたい。
    で、「薬」の意味は「庶民が「亜インテリ」に気づく」ってことらしい。
    でも、そういう意味の無いただの専門家の誤用や、ただの語源俗解批判も多々ある。

  • たったひとつの冴えたやりかた

    3編の短篇集。
    どれも「自己犠牲」的な物語。


    第1話「たったひとつの冴えたやりかた」が有名で、兄がいる宇宙の辺境へ探検にでかける少女の話。
    前半は「これから女の子の冒険譚が始まる」って雰囲気なのに、異星人と出会った後半からは一変。

    少女は密航者で、その宇宙船には質量制限があって、
    少女の分が重すぎて燃料が足りず、
    かといって積荷は病気の兄の為の血清で、
    積荷を捨てると兄が死んでしまう。
    燃料が足りないままだと速度を落とせずに惑星の重力に引かれて、
    宇宙船は積荷もろとも惑星の大気で燃え尽きてしまう。

    それで少女は自ら宇宙船から出て宇宙空間で死ぬ事を選ぶ。

    少女の決断プロセスが感動というか同情的な目で見てしまう。
    無邪気に兄に会いに行こうとしただけなので……。

    で、少女の犠牲により、兄を含めて惑星の人類が助かる。

    気になったのは、
    「(冷凍睡眠なしでは)あんな長い光年を生き延びられない!」
    と片道だけでも冷凍睡眠が必要なほどの長い飛行後に、
    少女が行方不明扱いとなって辺境の基地へ駆けつけた父親が、
    行方不明となった直後のように怒っている姿。
    娘が行方不明になったことを受け入れる、相応の時間が経ってるんじゃないの?
    または、父親はすでに死んでるとか‥。
    父親が娘の跡を追って、冷凍睡眠飛行してたの?
    そのへんの描写が無いんで、ちょっと意味不明だった。
    そもそも冷凍睡眠が必要なほど時間がかかる宇宙飛行の動機として、子どもの冒険心では弱いし。


    第2話「グッドナイト・スウィートハーツ」は、宇宙遭難救助隊の男が主人公。
    ある遭難艇に燃料を届けたことをきっかけに、長い冷凍睡眠前に恋人だった女と再会。
    これも「自己犠牲」的ではあるけど、主人公は死なない。
    ラストが意味不明だったけど、検索でやっとわかった。
    つまり男は、自由を選んだ、と。
    命がけの行動の直後、急に冷静になって計算高くその後の人生を変えるって展開がびっくり。


    第3話「衝突」は、第1話と同じような異星人とのファーストコンタクトで、
    人類を悪い種族と思い込んでいる超文明種との「衝突」。
    本の半分くらいが第3話で、ちょっと冗長。
    これも「犠牲」により、人類が救われる。
    ただ、犠牲になる人物の描写があまり無いので、感情移入しにくく、感動というほどの読後感は無かった‥。
    第1話は主人公の描写がメインだから、自然に感情移入するのと対照的。

    たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

  • 星を継ぐもの

    超有名SFのひとつらしい。
    ハードSF巨匠ホーガンのデビュー作だそうで。
    とても引きこまれて、休日に一気に読んだほどに面白かった。
    主人公は科学者で、月面で見つかった5万年前の異星人の死体の謎を解こうと、集められた情報や仮説を取捨選択して、推理する。
    しかしその推理を覆す証拠が見つかり、また推理のやり直し。
    ということが何度か繰り返される。
    最終的には、人類の起源や月の起源への推理にまで及ぶスケールの大きさには驚いた。
    文章の大半は、このような思考プロセスで、SFによくある宇宙冒険譚とかじゃない。
    SF推理小説って感じだった。

    星を継ぐもの (創元SF文庫)