超強台風という中国映画をニコ生で見ました。
中国版の災害パニック映画かと思ったら、カリスマ市長が災害救助で大活躍するヒーローものでした。
冒頭でスリの男が警察に捕まってしまい、たまたま居合わせた市長に濡れ衣を着せるんですが、この男が香港映画のサモ・ハン・キンポー的な道化回しキャラ。
しかし後半で台風に飛ばされたり津波に巻き込まれながらも危機一髪で生き延びるという大活躍(笑)をします。
元々が道化的なキャラなので、たぶんギャグシーンとして意図して撮ったんだろうと思いますが、大雨や津波で水を被るシーンはかなり迫真的です。
他にもこのキャラ要るかな?という人物も登場し、たぶん群像劇をやりたかったんだと思いますが、脇役に焦点を当てるシーンが妙に多いです。
台風の目を撮りたいという謎のアメリカ人とか、奥さんの出産が始まったけど台風のせいで帰れない離島の夫とか、その奥さんの陣痛の面倒を見ている見習い看護婦とか、奥さんと連絡を取りたい夫が何度も間違い電話をかけてうんざりするおばさんとか、何度も出てきます。
物語の本筋は、中国沿岸部の大都市に超大型台風が近づいていたけど、市政側は日本に向かって逸れると予測し、住民避難に消極的。
専門家は避難させるべきと主張。
そして市長は専門家の意見を聞き入れて、積極的に住民避難を指示します。
ここまでは穏当なシーンです。
この専門家が市長が幼い時の学校の先生で、市長と恩師との温かい師弟関係みたいな描写もあり、これが市長に住民避難を決意させる後押しになってます。
それから、50年前にも台風被害があり、多くの人命が失われたという記録映像があり、その映像が人力で土嚢を積み上げるものの、津波に巻き込まれて溺れ死ぬという、人名軽視で実効性無視のアホな特攻にしか思えませんが、美談仕立ての演出なのが「?」ですね。
台風は迷走型で、沿岸部に近づくかと思ったら離れたりし、市政はそのたびに住民避難の中止を進言しますが、市長は住民の命が大事だと拒否。
しかし結局は台風は沿岸に向かって来ます。
ここらへんから、市長が大活躍となります。
この市長、住民からなぜ住民避難に必死なのかを聞かれて、「住民はすべて私の家族」とか言い出します。
現実の中国の役人がこんな人なわけがないので、ものすごくアンリアルと言うか、ただのファンタジー。
たぶん現地の中国人観客も笑って見てたんじゃないかな……。
エンタテイメント映画なのでリアリティはどうでもいいんだろうと思います。
もちろん演者はシリアスですが、シリアスにアホなシナリオを演じるから面白いのです。
この映画の「市長」は、日本で相手をからかって言う時の「社長」に語感が似てます。
妻の元に帰りたいと訴える夫の話を聞き、市長の独断で軍のヘリを飛ばすことを指示すると、軍人は了承します。なぜか市長の方が偉いという設定になってます。
そして市長の決断で資格のない看護婦に違法となる輸血行為を指示。これもなぜか登場人物が全員納得して受け入れてます。
冒頭で濡れ衣を着せられたスリの男を市長が救助に向かい、スーツのままで駆け抜けたり。
ここで横倒しのタンクローリーからガソリンが漏れ、しかも頭上の電線が切れて放電しますが、とっさの機転でタンクローリーのタイヤをパンクさせて車体を傾けて時間を稼ぎ、危機一髪で男を助けます。ここは普通に頭いいと思います。
津波のせいで大量の海水が上陸し、沿岸部は水没。
そして海水と共にサメもやってきますw
市長は「私は特殊部隊にいた」と急に言い出し、単身サメと戦っちゃいますw
もうスーパーカリスマ市長って感じです。
途中で台風の目になり、みんなで空を見上げて無言になるという感動を狙ったシーンが出ますが、直前のサメのくだりからの映像なので笑っちゃいます。
他、ヘリによる妊婦救助→風に耐えられる戦車で妊婦を運ぶように指示とか、ダムが決壊しそうなので放流を指示とか、数々の危機的状況での決断シーンを見せてます。
最後に妊婦が出産成功し、病室からの電話で赤ちゃんの鳴き声を聞かせて議会の皆が拍手したりと、感動させたいんでしょうけどカットワークがコメディのテンポ感なので笑っちゃいます。
最後の締めとなる引きの映像で、なぜか銀河系まで引いてるのが意味不明でした。
SFならわかりますが、この映画は中国の沿岸都市というローカルな話なわけで……。
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