月のチリは吸い込むと人体を損傷する危険な物質と判明。
事の発端はアポロ17号で月面着陸した宇宙飛行士ハリソン・シュミットが
探査船内に戻ってから宇宙服を脱いだ際に、相当な量のチリを吸い込んでしまった事。
その1日後にハリソンは涙やクシャミが止まらなくなったそうです。
ハリソンはこの症状を月花粉症(lunar hay fever)と呼んだようですが、事実はもっと深刻。
月のチリは隕石の衝突で生まれた破片で、鋭利な形状になっています。
月面には風化作用がないので鋭利な形状が丸くなったりはしません。
また衝突による摩擦で帯電しており、地表と電気的に反発して浮いています。
なので、吸い込みやすいそうです。
最近の研究でわかったのは、鋭利な形状のチリを吸い込む事で組織を傷つけてしまうと。
タマネギの匂い物質も鋭利な形状で、涙やクシャミが出るのと同じ。
ただし、月のチリの場合はタマネギよりも恐ろしい物質。
地球上で月のチリを模した物質をマウスの脳細胞や肺の細胞に晒したところ、
細胞が傷ついて90%が死滅してしまったようです。
またミクロンサイズのチリの場合はDNAを傷つける事すらあると判明。
今後の月計画で人間を送る際は、月のチリ対策をする必要がありますね。
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