テレビ番組の「なんでも鑑定団に」曜変天目茶碗が出展され、
本物との評価が為されたようですが、
何人かの専門家から偽物との声が上がってるみたいですね。
なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」より。
窯業で知られる愛知県瀬戸市在住の陶芸家・九代目長江惣吉氏である。長江氏が語る。
「番組を見ていて思わず絶句しました。どう見ても中国の商店街で売っているまがい物にしか見えなかった」
その長江氏が鑑定品を「偽物」と判断する最大の根拠は「光彩」だ。
曜変天目茶碗は、鉄分などを原料とする釉薬をかけて焼かれる。最大の特徴は、前述したように茶碗の内側に広がる鮮やかな光彩であり、
光と見る角度によって輝き方がガラリと変わる。徳川家康など時の権力者にも愛でられたとされる逸品だが、今回鑑定された茶碗には「肝心の輝きがない」と長江氏は指摘する。
「そもそも“曜変”とは“光り輝き、変幻する”を意味します。本来、曜変天目の釉薬には天然材料が使われており、焼き方によって色合いが変化して、ブラックオパールのように鮮やかな光彩が発現します。
しかし、鑑定団で紹介された茶碗は変幻する光彩ではなく、単に赤、緑、青などの釉薬がそのまま発色したものに見える。これは東洋的な味わいに欠ける」
(中略)
中国陶磁考古学・陶磁史の世界的権威で沖縄県立芸術大学教授の森達也氏も「実物を見ていないのでその点は不正確ですが、
映像を見た限りでは本物である可能性は低い」と話す。「鑑定品の裏に記された『供御』という文字について、番組で“将軍が使う陶器に彫る文字”との説明がありましたが、この文字は中国で彫られるもので、日本にある伝世品で『供御』と記されたものを見たことがありません」
鑑定団の方も、実名で表に出てるのは中島氏だけど、
裏で複数の専門家が協力してるわけでしょ?
少なくとも、当時に作られた茶碗なのは間違いないんじゃないかなと。
でも異議を唱える専門家の言い分も正しい気はする。
そもそも曜変天目茶碗には明確な定義はないっぽいですね。
天目茶碗を作る過程で釉薬が偶然異なる色に変質するという定義らしいけど、
専門家の発言でも「釉薬の色がそのまま出ているように見える」
という決め手に欠ける言い方だし。
これは真贋よりも定義論の問題になりそうですね。
追記ですが、偽物だと主張してた側の根拠とされる化学顔料は検出されなかったそうです。
もし現代の中国で作られた偽物なら多様な釉薬を使っているはずで、
実際にはどの色にX線を当てても単一の釉薬しか使ってないという分析になったと。
批判者は洗浄してないからダメと反論してるようですが、
洗浄してないなら尚のこと単一の釉薬という分析結果にはならないはず。
ノイズが混じってるはずなので。
中国で1400円で売ってる土産物説が浮上
2017年3月に話題となった2500万円の曜変天目茶碗について、
中国人の陶芸家・李欣紅氏が自分で作ったと証言しているそうです。
「なんでも鑑定団」で2500万円とされた茶碗 中国で1400円で売られていた?
根拠は茶碗の底の「供御」という落款。

真実なら、長江惣吉氏が正しかった事になります。
ちなみに、こちらが当時放送された鑑定団の方の落款らしいです。

確かに同じ「供御」。
通常は陶芸家の個人名を入れるらしいです。
国宝の曜変天目茶碗には「供御」という落款はないようです。
「供御」とは、身分の高い人への贈りものを意味し、
その貢ぎ物に箔を付ける為に入れたもの、とのこと。
模様もそっくり。

ただ、だったら顔料の分析結果は何だったんですかね。
当時の顔料をわざわざ手に入れて、偽物を作ったんですかね。
でも動画の陶芸家は工芸品(土産もの)として作ったと証言するのみです。
そんな物に、手間をかけて当時の顔料を使うとは考えにくいし……。
あと「三好長慶の書状」も付いているのが、鑑定の根拠の1つのようですが、
その書状自体が経年劣化をあまり感じさせない状態の良い物。

書状が贋作かもしれませんね。
半年後の追記ですが、こういう証言がツイッターでバズってました。
真偽判断はわかりません。
そういや、某人気番組で、古文書が出てきて鑑定するってのを何度も見た。ところが、鑑定結果はニセ物って判定され、ひっくり返った経験が何度もある。オイオイって思ったが、そのうちの何件かは実物を拝見させていただき、間違いなく本物って確認した。今では史料集にも収録されている。実にお粗末。
https://twitter.com/HIRAYAMAYUUKAIN/status/1022072654562381825まぁ、自分の専門の時代や地域でないと、鑑定は相当難しい。群馬県で南北朝の文書を提示され、「これは如何でしょうか?」って聞かれて困ったことがある。なぜならば、その時代の文書を沢山拝見し、検討した経験がないから。「悪くはないと思うが、確信がもてません。誰かこの時代の専門家に見て
頂いた方がいいですよ」とお話しした。後日、京都の某著名研究者が鑑定したところ、間違いないと判定されたと聞いた。やっぱし、場数と専門性だね。うっかり鑑定しますなんて、とても言えないよ。それほど傍若無人な自信家じゃないからねぇ。
こういう事情なら、やっぱり三好長慶の書状は怪しい気がします。
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