有名な名作ミステリーの映画化で、監督はあのヒッチコック。
同名のリメイク版ではなく、1954年公開のオリジナルの方の感想です。

ダイヤルMを廻せ! 3D&2D [Blu-ray]
元は当時の人気舞台劇で、妻マーゴの遺産狙いで夫のトニーが雇ったスワンが逆にマーゴに殺されてしまい、
トニーは急遽、マーゴを計画殺人の犯人に仕立てるべく偽装工作をするって筋書き。
シーンのほとんどがアパートの一室で終始するのが特徴で、
低予算映画みたいな印象を受けます。
一部は屋外シーンだけど、背景が明らかに合成だし。
トニーがマーゴを殺そうと思い立ったのは、マーゴの不倫がきっかけ。
不倫に気づいたのは、その旨を書いたラブレターを見つけたから。
不倫相手はマーゴの知人の推理小説家のマークで、
自宅にもたびたび遊びに来ているという設定。
ここでマーゴと浮気男が抱きしめ合った直後にトニーが帰宅してますが、
マーゴの体からマークの体臭やら香水やらが臭いそうなのに、
マーゴとマークの2人はそういう点に気づかずに、平気で抱き合ってるんですよね。
ラブレターが発覚せずとも、脇の甘い2人なのでどのみちバレてたかも。
マークの方も直接会って話せる間柄なんだから、
ラブレターを書く意味が薄いのに書いてるし、
それを始末せずに残しておいたから見つかってるわけだし。
現代でも電子メールでわざわざ浮気内容を書いて、
そこから発覚なんてのはザラだし、
まあ普遍的な心理なのかもしれません。
トニーとしては、単に離婚するには資産家の娘であるマーゴの遺産が惜しいということで、
街で偶然見かけた大学の先輩に殺しを依頼。
この先輩は大学時代から素行が悪くて評判だった悪党。
先輩はトニーの計画に乗って、アパートに深夜侵入して殺そうとしますが、
絞殺されかけたマーゴがとっさにつかんだハサミが心臓に刺さって死亡。
このシーンではアパートに潜伏した先輩が、
電話の合図を待って殺人を実行するという計画なのに、
アリバイ作りの為に向かったクラブで思わぬ長話となり、
しかもトニーの腕時計が壊れて止まっており、
予定の時間に電話をかけるタイミングを逃しそうになって、
痺れを切らした先輩が帰りかけるという、
殺人計画が実行されないとどうなるんだろう、
とサスペンスを盛り上げる演出があります。
スムースに殺害計画が進まないのが、いかにもなヒッチコックの手腕かと。
トニーは、電話をかけたらマーゴが出たことで事態の成り行きを察し、
急遽「脅迫されていたマーゴが計画的に脅迫者を招いてアクシデントに見せかけて殺した」
という筋書きでマーゴを陥れて警察を騙すように計画を変更。
ただし、スワンが言いつけ通りに鍵を隠し場所に戻していたことが誤算となってしまいます。
トニーはもちろん表向きはマーゴをかばうふりをして、
当初は警察の聞きこみへの抗議をしたりします。
そのうち、マーゴが脅迫されていたことが警察にもバレて、
警察はマーゴが計画的に脅迫者を殺したと認定。
マーゴは裁判にかけられて有罪となり、なんと死刑判決を受けます。
ここで舞台劇と同じようにインターミッション(休憩)をわざわざ入れてます。
このインターミッションで、裁判で死刑となるまでの時間経過を端折ってます。
死刑判決後に、不倫がバレたマークがマーゴの死刑を回避すべくトニーに警察を騙す計画を持ちかけるけど、
この計画がトニーが立てた計画にそっくりで、
実はトニーの計画を見抜いていたのかなと錯覚しますが、
単にありそうな犯罪計画を偶然に話していただけ。
ここもサスペンスを盛り上げる演出なんでしょうね。
マークが真相に気づいて、トニーにカマをかけている知的駆け引きに見えます。
ここで鍵の秘密に気づいた警部がやってきて、
鍵は自分のものとマーゴのものの2つしか無いことをトニーの口から言わせ、
自分のコートとトニーのコートが同じなのを利用して、
コートのすり替えを行います。
そして警部は、トニーにマーゴの所持品を警察署から引き取るように告げて立ち去ります。
その後、警部はいったんは立ち去ったように見せかけてアパートに戻り、
トニーのコートに入っていた鍵で中に入ります。
それからなぜか釈放されたマーゴが帰宅し、
手持ちの鍵でドアを開けようとしますが、開きません。
実はこの鍵はスワンの自宅のもので、
トニーが偽装工作のつもりでマーゴの所持品に紛れさせたもの。
この鍵の件が無かったら、マーゴは死刑になっていたでしょうね。
マーゴに自宅のドアを開けさせようとしたのは、鍵の隠し場所を知っているか試すため。
しかしマーゴは隠し場所を知らなかった。
警部は部下に命じてスワンの鍵を警察署に戻させます。
本物の鍵は元々あった隠し場所に戻します。
トニーはマーゴの所持品を受け取り帰宅。
しかしマーゴの鍵ではドアが開かずに、困惑。
自分のものだと思っているコートには、あるはずの鍵がない。
トニーは警部が間違えて自分のコートを持っていったと思い、
いったんは警察署に行こうとするけど、
もしかしてと、スワンに鍵を隠すよう命じたことを思い出し、
その隠し場所にある本当の鍵を見つけて自宅のドアを開けてしまいます。
自宅には警部と釈放されたマーゴとマークが待ち受けていて、
しかもドアの外には警部の部下が立ちはだかります。
真犯人しか知らないはずの鍵の隠し場所を知っていたとバレてしまい、
トニーはすべてをあっさり悟って、負けを認めてお終い。
トニーのミスはスワンの鍵をマーゴの鍵と勘違いした事。
それはスワンの鍵が自宅の鍵と酷似していたという偶然によるもの。
ここでトニーが横着せず、警察署に戻って警部が持っている自分のコートを取り返しておけば、
警部の策略が外れてトニーを逮捕することはできなかったはず。
自分の計画が上手く行って、マーゴが逮捕された直後から金遣いが荒くなってるし、
その金遣いを警部が怪しんで結局は捕まってる訳です。
脇の甘さが命取りとなってますね。
にほんブログ村
Tweet
この記事のショートリンク