トランプ大統領の相互関税で何が起きるのか

アメリカン大学キエフ校 (AUK) の経済学教授Roman Sheremeta氏のツイートがバズってました。
内容はトランプ大統領の相互関税で何が起きるのかというもの。

Trump has launched a global trade war, calling it a “Liberation Day.” As an economist, I know a thing or two about tariffs. So here are some predictions of what we should expect if this tariff war continues.

・相互関税でアメリカの貿易赤字解消を狙っているが、解消しない。
輸入も輸出も減り、赤字幅は縮小しない。

・相互関税はアメリカの製造業を立て直さない。
関税で輸出品の競争力を低下させ、米ドルの上昇圧となり、米国製品が高くなり、買いにくくなる。

・関税は国内消費者への税金である。
輸入品の価格を上げて、そのコストはアメリカ人に転嫁される。

・他国の報復関税で米製品を海外で販売する企業への打撃となる。

・消費者の選択肢が減少し、一部の商品は店頭から消える。
または高額になりすぎて手が出なくなる。

・輸出依存産業での大幅な雇用喪失が起きる。
製造業や農業も大打撃になる。

・サプライチェーンの大混乱となる。
多くの製造業は安価な原材料に依存している。
関税により、高価な代替品を探さざるを得なくなり、価格に転嫁され、競争力が低下する。

・価格上昇、失業増、貿易の混乱で経済成長の鈍化、または景気後退となる。

古代ローマでも同じような関税をかけて国家衰退の遠因となったそうです。

Ancient Rome used high tariffs to raise money too – and created other economic problems along the way

古代ローマは輸入品に25%の関税をかけて軍事費の1/3を賄いました。
しかし関税は国内の物価上昇、そしてインフレを招き、関税を無視する闇市場の形成を誘発。
広大な国土の古代ローマでは闇市場を監視するなど不可能でした。
闇市場の繁栄で一般のローマ市民は合法的経済活動が不利となり、生活が困窮。
これが3世紀続いて古代ローマ衰退につながったそうです。
まるで禁酒法を制定→マフィアが密造酒で大儲け→治安悪化みたいな話ですね。

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