転売屋はブルウィップ効果を増幅させる

 
ショッピング

転売屋がなぜダメかというと、ブルウィップ効果を増幅させるからです。
ブルウィップ効果とは、小売の需要変動が中間の問屋から生産者に向かうにつれて生産量が増幅される現象です。
この名称は、小さな動きが大きな振れ幅を生み出すムチ(ブルウィップ)の動きに例えられています。

例えば、発売当初、Nintendo Switchは品薄状態となり、
転売目的の買い占めが横行しました。
この状況を受け、任天堂は生産量を増やしましたが、
その後需要が落ち着き、一時的に過剰在庫を抱える状況になりました。

PlayStation 5の発売時も同様の状況が見られました。
半導体不足などの影響もあり、生産が遅延し、
需要と供給のバランスが崩れた結果、転売価格が高騰しました。

転売屋の大量購入で、小売りはより多くの商品を問屋に発注します。
問屋はその発注を受けて、もっと売れるかもと生産者に多めに注文します。
その発注を受けた生産者は、実際の市場需要を勘違いし、商品を需要以上に増産します。
その結果、サプライチェーンの各段階で過剰な在庫を抱えることになります。
また、需要予測の誤りにより、効率的な配送計画が立てられなくなります。
過剰生産、過剰在庫、非効率な配送などにより、全体的なコストが増加します。

得するのは転売屋だけかと思いきや、需要以上の在庫を抱えた転売屋も大損です。
消費者も定価より高い物を買って損したり、購入機会を逃してしまいます。
転売により企業や商品のブランドイメージも損なわれる恐れがあります。
儲かるのは在庫をさばいた一部の転売屋だけです。
このように転売屋は市場に歪みをもたらすわけです。

にほんブログ村 その他生活ブログ 雑学・豆知識へ
にほんブログ村

この記事のショートリンク