ブロムシュテット指揮による、1985年ドレスデンのゼンパー・オーパー(歌劇場)の復興を記念したライブ録音。
第九の名演のひとつとされています。
第2次世界大戦中の1945年3月13日~14日に、英軍と米軍によるドレスデン大空襲で大勢の一般市民が虐殺され、ゼンパーオーパーも外壁のみを残して瓦解。
その後40年も経ってから東ドイツの威信にかけて再建し、1985年に完成したそうです。
その再建記念公演で第九を演奏したんだとか。
そんな歴史的演奏なので気合の入り様が違うのか、スタジオ録音での他の端正なブロムシュテットとは異なり、熱っぽいです。
またこの時代はシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の絶頂期とも重なるようです。
ブロムシュテットの意図や狙いではなく、奏者達の気負いが前面に出た演奏にも思えます。
第1楽章からずっとティンパニの音色が目立って金属質で、残響も「グワン」と多め。ティンパニが前に置いてあるのかなってくらい。
他の曲だと耳障りかもしれないですが、第九については雷鳴を思わせるので効果的だと思います。ポンポンと軽いティンパニだとらしくないですから。
それとフルートがよく通って聞こえます。
ティンパニは第2楽章になると固めの音に変わり、残響を殺して切れが良くなります。
第3楽章ではフルートと金管のバランスが綺麗です。
終楽章はコーダでシンバルもじゃんじゃん鳴らしまくり、ティンパニも切れの良い連打。そして拍手も入ってます。
ブロムシュテットのディスクは絶版中なので、今ではほとんどが手に入らないのですが、Profilというドイツのレーベルが復刻したそうで、在庫があるサイトを載せておきます。

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