アーノンクール&ヨーロッパ室内管弦楽団のベートーヴェンの交響曲第5番のCD評です。第6番を紹介したついでです。全体的にはあまりいい演奏だとは思っていません。
例によって古楽奏法で褪せた印象のする音と艶のある音とが交錯する演奏をしてます。
重厚さはなく「運命」のような印象は受けません。
第1楽章の冒頭の主題提示部は最初のフェルマータの方が長めという演奏ですが、意図はわかりません。
古楽オーケストラによくあるテンポの早い演奏ではなく、テンポは普通。
アクセントをつける部分は誇張気味に大きく響かせてます。これは他の曲でもアーノンクールがよくやってます。
第2楽章はせっかく弦楽の内声を浮き上がらせているのに、トゥッティは派手なのがうるさく感じます。ここは穏やかな演奏が聞きたいところなんですけど。
第3楽章は中間部で少しテンポが落ちますが、意図不明です。
第4楽章は随所にアクセントをつけていてビートを感じます。熱く疾走する感じです。パーヴォ・ヤルヴィに似てます。アーノンクールの方が先ですけど。
展開部のラストで弦楽器が管楽器に埋もれてしまってますが、意図不明です。
コーダはピッコロが目立ってます。しかも最後のフェルマータで早々にティンパニが終わり、一番最後まで鳴ってるのがピッコロ。何か意味付けがありそうなんですが、よくわかりません。

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