鬱病者は特定の脳ネットワークが73%も拡大している

 
医学健康

米コーネル大学医学部などの研究チームが行った精密機能マッピングという手法で、
鬱病の被験者141人と非鬱病の対照群37人を対象に、
脳ネットワークのサイズを正確に測定し比較しました。
その結果、鬱病患者の脳の前頭線条体顕著性ネットワークが平均73%も拡大していたと判明。

精密機能マッピングとは、以下のような最新の技術を組み合わせて脳の働きを精密に検査する手法です。

高磁場MRI:一般的なMRIよりも強力な磁場を使用する装置です。より鮮明な画像が得られます。
多チャンネル脳波計測:頭皮上の複数の電極を用いて脳の電気活動を同時に記録する技術です。
高い時間分解能で脳活動をリアルタイムに捉え、脳の異なる領域の活動を同時に観察できます。
光イメージング:生体組織に光を照射し、その反射や散乱を測定することで脳活動を可視化する技術です。
比較的高い時間分解能と空間分解能で、脳の表層部の活動を観察するのに適しています。
高度な画像処理アルゴリズム:脳画像データを解析し、より詳細な情報を抽出するための計算手法です。
機械学習による画像のノイズ除去や画質向上、脳の構造や機能的ネットワークの自動抽出を行います。

前頭線条体顕著性ネットワークは、注意や感情の制御に関わっています。
ここが拡大すると、注意の切り替えが困難になったり、
ネガティブ感情の抑制が難しくなったりします。

思春期にうつ病を発症した57人の子どもの脳スキャンデータを分析したところ、
鬱病の症状が出る数年前から前頭線条体顕著性ネットワークが拡大していることも判明しています。
成人でも同様とのこと。

このことから、前頭線条体顕著性ネットワークの拡大が鬱病の原因と言えそうです。

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