神の汚れた手の感想

本棚整理で昔読んだ本を一部捨てる(売る)事になったので、その前にせめて感想を書き残そうと……。
当面はそういう記事が続きます。
作者の曽野綾子はキリスト教系の学校を卒業という経歴で、本人もクリスチャン。
なので作風にはキリスト教的な価値観が反映してる。
私は別にクリスチャンではないけど、昔多読濫読していた時期に、その一環として読んだだけ。
その程度の者が読んでみた感想ってことです。
主人公は海辺の産婦人科医で、テーマは中絶の是非かな。
キリスト教だから中絶はタブーのはずで、曽野綾子にとってはタブーに切り込むという意図なのか、よくわかりませんが。
謳い文句の「生命の尊厳を描く」ってのはよくわかりません。
奇形が生まれたりするシーンを描いているのが衝撃的って評価だったみたいで。
出産の現実を知らない人が多くなった時代の評価なんだろうと。
今は逆にYouTubeとかでその手の動画は見ようと思えば見れるから、あまり衝撃的には感じないかと。
診療シーンは具体的に描写されていて、手塚治虫のブラックジャックとかを思わせる感じ。
別に中絶を批判する内容ではなく、架空のドキュメンタリを文字起こししたような中立的な筆致。
特にオチはなく、色んな患者を診てそのまま産婦人科を続けるという終わり方。
最後は奇形の子どもを故意に窒息させるような扱いをした両親の事を察しつつ、
偽の死亡診断書を書いて「丸く収める」というシーンで終わり。
昔の産婆とかは赤子が障碍者とわかると、首を絞めて殺し、死産だったと報告したらしいけど、こういう話に似てますね。
タイトルの神の汚れた手とは、奇形が生まれる事を言ってるようです。
つまり神は人を完璧に作ってないと。
今ネットで検索すると絶賛が多いけど、私は別に信仰も無いので何とも……個々のエピソードについてもしょうがないよねって程度です。
神の汚れた手〈上〉 (文春文庫)
神の汚れた手〈下〉 (文春文庫)

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