2024年3月上旬、ボーイング社の元品質管理マネージャーであるJohn Barnett氏(62歳)が、
サウスカロライナ州チャールストンのホテルの駐車場で遺体で発見されました。
Barnett氏は、ボーイング社の品質管理や安全性の問題を長年にわたって告発してきた人物です。
主な告発内容は以下の通りです。
787ドリームライナーの酸素システムの欠陥
使用済み・欠陥部品の再利用
品質管理記録の改ざん
生産スケジュール優先による安全性軽視
死亡時の状況としては銃創があり、警察は自殺と判断ました。
ボーイング社との訴訟に関する証言録取の最中でした。
訴訟の準備中なのに、自殺するのは考えにくいわけです。
遺族や支援者から自殺説に疑問の声があがり、
SNSでは陰謀説が広がりました。
航空安全性に関する議論が再燃し、
ボーイング社の企業文化への批判も増加。
ボーイング社の近年の問題としては、
2018年、2019年のボーイング737 MAX機墜落事故、
2024年1月のアラスカ航空機事故があります。
MAX機はMCASの不具合、アラスカ航空機はドアプラグの脱落が原因でした。
どれもスケジュールを優先し、品質管理が形骸化したのが共通点。
FAA(連邦航空局)の自己認証制度も問題視されていました。
この制度はFAAから認められた従業員が安全性を認証できるというもの。
本来の意図は認証作業の簡略化でしたが、
自社の機体の認証が雑になるのは必至です。
しかも元FAA職員をボーイングで雇用することも行われていました。
これらの癒着で、技術文書の改竄や、重要情報の過小化が行われ、事故につながったわけです。

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