セントサイモンの血を持たないサラブレッドは存在しない

セントサイモンとは19世紀イギリスで活躍した競走馬のこと。

セントサイモンはデビュー当初はパッとしない馬と思われていたようです。
しかし出場したレース全て10馬身以上をつける圧勝で、10戦無敗。
ただし1戦は非公式レースなので、9戦無敗が正式記録とされているようです。

4000メートルのレースに出場した際は、
スタートでは最後尾につけていたものの、
騎手が手綱を緩めるや否や暴走し、一気に先頭へ。
しかも20馬身以上の差を付けてゴール。
それでも走り続けて、止まったのは1600メートルも余計に進んだ場所だったそうです。

無名両親から生まれた子で、最後尾から一気に追い抜くなどの特徴はディープインパクトに似てますね。
もちろんセントサイモンには及びませんが。

これでもセントサイモンは本気で走った事がないとされています。
一度だけ、調教中に本気で走らせてみたところ、騎手を振り落とす勢いで暴走。
当時「天才騎手」と評価されていたF.アーチャーはセントサイモンにしがみつくのがやっとで、
「二度と本気で走らせたくない」と評したそうです。

セントサイモンのレース歴はたったの1年ですが、
その圧倒的な走りっぷりが人気となって
その成績から種馬となってからは、セントサイモンの血が世界中に拡散。
実際にセントサイモンの子が牝馬も牡馬も三冠馬を達成してます。
そうして、ついにはセントサイモンの血ではないサラブレットは世界からほぼ消滅したそうです。
現代に存在するほぼ全てのサラブレットは、セントサイモンの子孫とされています。

セントサイモンの血が広まったのはマイナーな両親から生まれた馬だったからという事情もあります。
つまり既存のサラブレットと血のつながりが薄いので、近親交配のデメリットが過小評価されたんでしょう。

とは言え、セントサイモンの父系の子孫はイギリス国内では勝てなくなり、
イギリスではセントサイモンの父系の馬は絶滅しています。
近親交配の影響は少なからずあるはずです。
これは「セントサイモンの悲劇」と呼ばれています。

ちなみにセントサイモンはすごく気性の荒い馬だったようで、
厩務員を隙あらば殺そうとしていた程。
手なずけようとして厩舎に入れた猫を放り投げて殺した事もあるそうです。
種馬になってからも牝馬を殺さないか警戒されていたんだとか。

そんなセントサイモンも恐れる物があったそうで、それは「こうもり傘」。
こうもり傘に帽子を被せて広げて見せると大人しくなったと後世に伝わってます。

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